藤子・F・不二雄 生誕90周年記念作品としてNetflixで配信中.現在はシーズン1の12話まで配信されており,シーズン2は2024/7/17(水)から配信開始.
予告編が大変素晴らしくグッときた.
ジャイアンみたいなキャラが転落死するところで,ドラえもんとは全く違うものだとわからされる.そしてタイムパトロールの使命と主人公の葛藤,各時代で起こる人間ドラマを予感させる2分の映像だった.
ただ,これは12話分を詰め込んだものなので,本編は若干盛り上がりに欠けているように思えた.ぜひ1本の映画で見てみたい.
絵柄やストーリーはドラえもんの劇場版に似ているが,流血あり暴力ありでハードな内容になっている.改めて歴史考証も行われているようで主人公たちの行動が史実に影響している演出が面白い.
ある日,主人公の並平凡(なみひら ぼん)はタイムパトロール隊員のリーム・ストリーム,超空間生物ブヨヨン(CV:宮野真守)と出会い,タイムパトロールの見習い隊員として働くことになる.
あまり効かない神託
ぼんたち救助課の目的は,過去に死んだ人のなかで歴史の流れに影響しない人を救助すること.隊員たちは航空法ならぬ「航時法」を遵守する必要があり行動には制約が多い.
そんな彼らをサポートするひみつ道具的なアイテムが多数登場する.空間と時間を移動できるタイムボートには「自動かくれんぼ機能」がついており,持ち主が呼びかけるとどこからともなく出てくる.フォゲッターは作動しているあいだ対象者からTP隊員に関する記憶を消すが,スイッチを押し忘れることが多い.他にも全身の色素を一時的に変質させる薬,一定時間後に心臓が止まって仮死状態になる薬など取り扱いに注意が必要そうな道具もポンポン出てくる.
なかでも面白いのはホログラム.その時代・土地で信仰されている神様を空間に投影し神託を授けて対象者の行動を変えようとするが,これがほとんど効果がない.「神意に背くのか!」と脅しても折れず,挙げ句に邪神扱いされることもある.科学が発展していない時代では有効な手段のように思えるがすべて失敗している.
リーム「神託なんてそんなものでしょ 自分の信じたいことを信じるだけ」
未来の技術を使えば古代の人々を騙すのは簡単そうだが一筋縄ではいかない.時代を作り上げてきた人々の力強さを感じる.
冒頭で見せられたように主要キャラがいきなり死ぬかもしれないということに加え,過去でのささいな行動が歴史を大きく変えてしまう恐ろしさもあり安心して見られない.そこが本作の魅力.
次はぜひパーマンをNetflixで再度アニメ化してほしい.
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